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世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃
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| 分類: | 本
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所詮はブッシュに反対!という本 1.この本の私なりの要約
イラク戦争は、情報操作された根拠で行なわれた、国際法違反の戦争だが、戦争が長期化し、アメリカのみならず、世界中につけを背負わせたものだ。2つのシナリオ(最良、保守的)に基づいて、イラク戦争がどれくらいコストがかかったかを分析し、今度戦争する時には、一定の制度に基づいて、戦争のコストやリスクを削減すべきである。
2.評価
イラク戦争が、アメリカのみならず、世界中にどれだけ損失を与えているかの一端がわかるので(分析の妥当性などは私は検討していません)、星5つレヴェル。ただ、著者が戦争を否定していないのはどうか。よほどの短期で終わらなければ、戦争はリスクが大きいのではないか?戦争否定を徹底していない点が、所詮はブッシュに反対!としか言っていないとも取れる本なので、星1つ減らして、星4つ。
経済学者だからこその視点 世界を不幸にしたイラク戦争を、あえて経済的な損失から論じる。
当然やや数字の話に偏っているので、イラク戦争についてよく知りたい方は
他本との併読をお勧めする。
読み進めて感じたことは、イラク戦争で失われた機会損失はきわめて大きかった
ということだ。「イラク戦争に宛てられた資金は、学校や道路や研究に回されても
よかった資金であり、そうすれば将来にはリターンがもたらされた」と著者も書く。
日本は単にイラクに自衛隊を派遣しただけでなく、アメリカの戦争を支持した。
自衛隊はアメリカと一緒に武力行使をしたわけではないので、そちらの是非はなか
なか難しい。しかし、国際法違反の戦争を支持したのは明らかな誤りだと認めなけ
ればならない。著者が言うように「国際法によって他国の野心を封じたいなら、常
日ごろから国際法に敬意を払っておく必要がある」からだ。
戦争を起こすのは簡単だが、終わらせるのは本当に難しいと感じさせられる。し
たがって日本政府がアメリカ追従のままでは、現在の「平和憲法」もそれなりに有
効な歯止めなのかと感じてしまう。
本来、日本の理念や国益を明確に主張できる指導者が望ましいのだが。
ある人が日本を「総括をしない民主主義」だと言っていた。この問題多きイラク戦
争を総括しなければ、将来も同じ過ちを繰り返すのではないか。非常に心配だ。
これでは戦争は起こせなくなる ブッシュ・チェイニー・ラムズフェルド・ウォルフォビッツなどがひた隠しにしてきたイラク戦争の実際に掛かった戦費をノーベル経済学賞受賞者のステイグリッツが克明に計算した、その内容。
ごく内輪に見積もって3兆ドル。そしてその影響は今後何十年もアメリカ及び世界の経済に負の影響を与えるとする。
そして、このような災厄を世界にもたらした戦争が何故このように無謀に開始されたのか?そのメカニズムを明らかにし、今後の防止策を提案する。
その提案は、実施されれば二度と戦争自体が起こせなくなるような提案である。
今度のイラク戦争のように、儲かるのはごく一部の者で大部分の人間は大損をするのだから、事前に克明にその計算をして、一般に公開すれば、誰も戦争を始めることに賛成しなくなると思われる。
日本でも軍備を持って自衛すべきだという議論は多い。おかしな隣国に囲まれているので、一理あるのだが、その経済負担がどれだけになるのか、事前に本書に倣って計算しておくべきだろう。
ブッシュよりも賢明な政治指導者を、日本が持てる可能性は少ないのだから。
昨今の原油高はイラク戦争にありという視点は超ユニーク・現代人必読の書 スティグリッツ教授(2001年「情報の経済学」によりノーベル経済学賞を受賞)の最新作。今回は財政のエキスパートのリンダ・ビルムズ女史との共著だ。原題は”The Three Trillion dollar war"(三兆ドルの戦争)となっている。
スティグリッツ教授は、ブッシュ政権当初から、首尾一貫してその経済政策と世界戦略に警鐘を鳴らしてきた。この著では、イラク戦争で、アメリカのみの戦費として3兆ドルの戦費がかかる見通しだという。そしてイラク戦争が、アメリカ経済に未曾有の混乱を招き、それのみならずグローバル経済全体に混乱を生じさせたとズバリ指摘する。その上で、日米欧の相対的な力は落ち、結局、原油高を招く直接の元凶になったことを経済学の手法で綿密に分析してみせる。
私たちは、これまで原油高の主な原因を、第一に新興国の経済発展で需給がひっ迫したこと、第二に投機マネーの暴走と単純に図式化してきた。しかしスティグリッツ教授は、私たちの常識的判断をひっくり返して「石油価格の上昇は、開戦とほぼ同時期に始まった。・・・ざっくりとした計算だが、イラク戦争以降の価格上昇分のうち、ちょうど半分をイラク戦争の影響とみなし」と仮定しているとあっさり指摘する。漠然とブッシュ政権が始めたイラク戦争にいち早く支持を表明したのは日本の小泉首相ではなかったか。
現在サブプライムローン問題とイラク戦争の影響は、アメリカの国際的な地位を低下させ、その結果ドルまで暴落の危機の途上にある。小泉政権以降、特にブッシュ政権一辺倒で進めてきた外交方針が、ここに来て日本そのものの国際的地位と信用の失墜に繋がっている今こそ、私たちは現在の世界経済の動向をもっとも鮮烈に分析するスティグリッツ教授の言葉に耳を傾けるべきだ。まさに日本の政治家、ビジネスマン必読の書だ。私はこの書を読みアメリカ社会の奥深さに触れる気がした。
アメリカの支払った代償はあまりに大きい サブプライムローン問題に端を発したアメリカ経済の先行きが怪しくなっている。原油高も、アメリカの株式市場から投機資金が逃げ出して、もたらされたというのが通説となっている。
これは、反グローバリズムを一貫して主張し続けてきたスティグリッツ氏によるイラク戦争への批判の書である。
氏の分析によると、イラク戦争のためのアメリカが支出するコストは将来分も含めて、なんと3兆ドル(!)に上り、すでにベトナム戦争を上回っているという。
また、現在の原油高のきっかけは、明らかにイラク戦争による中東情勢の不安定化が大きい。
今のイラク情勢を落ち着かせるためには、派兵による増派しかないというのが定説のように思われるが、著者はそれも無駄なことと切り捨てる。
以上を踏まえた上で、直ちにイラクからの全面撤退を主張している。
加えて、今回の反省から同様の過ちを繰り返さないために、18の具体的な提案をしている。
これからの大統領選が見ものであるが、新政権がイラク問題をどのように取り扱うにせよ、アメリカの支払った代償はあまりに大きい。
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